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何でも屋をやめる。「得意な仕事」に絞ると利益が残る理由

何でも屋をやめる。「得意な仕事」に絞ると利益が残る理由

「何でも屋」のつもりが、実は一番損をしている

「お客様に言われたら、何でも対応します」。これは一見、親切で頼れる姿勢に見えます。しかし実際には、水回り、外壁、内装、電気工事まで手を広げるほど、現場ごとに段取りが変わり、慣れない作業で時間がかかり、思ったほど利益が残らない、ということが起きがちです。

得意でない工事を受けると、材料の手配や下請けへの依頼に余計な手間がかかり、見積もりの精度も落ちます。結果として「安全マージン」を多めに取った見積もりになり、お客様には高く見え、自分の手元には薄い利益しか残らない、という噛み合わない状態になってしまいます。

得意分野を1つ決めると、段取りが速くなる

得意分野を軸にすると、何が変わるでしょうか。

まず、同じような工事を繰り返すことで、材料の調達先、作業の手順、かかる時間の見立てが自分の中に蓄積されていきます。これは「慣れ」というより「型」です。型ができると、現場に入ってから迷う時間が減り、職人さんへの指示もスムーズになります。

見積もりも同じです。似た工事を何度もやっていれば、過去の工事を思い出しながら根拠のある金額を出せます。逆に初めての工種だと、どうしても余裕を持たせた見積もりになりがちで、それがお客様との価格のズレにつながります。

得意分野は、「お風呂場の水回りが得意」「外壁塗装が得意」「サッシ・建具の交換が得意」など、自分がこれまでの仕事で一番数をこなしてきたもの、一番仕上がりに自信があるものを基準に考えるとよいでしょう。チラシやホームページでも、「何でもできます」ではなく「◯◯が得意です」とはっきり書くほうが、お客様の記憶に残りやすくなります。

絞ることは「断る」ことではない

ここで誤解しないでいただきたいのは、得意分野に絞るというのは「それ以外は一切お断りします」という意味ではないということです。

得意分野を軸にした看板を掲げていても、ご近所から「ついでにここも見てもらえない?」という相談は自然に来るものです。これは、リフォーム経営塾でもよく語られるように、商圏を狭いエリアに絞って顔を出し続けることで、「困ったときに一番に思い出される存在」になれているからこそ起きることです。

得意でない工事の相談を受けたときは、自分で無理に抱え込まず、信頼できる同業者や専門の業者に取り次ぐという選択肢もあります。その場合でも、「うちでは専門外ですが、知り合いの業者を紹介します」と対応するだけで、お客様からの信頼は下がりません。むしろ「誠実に対応してくれる人」という印象が残り、次の機会にまた声をかけてもらえることにつながります。

絞ったほうが「安心」につながる理由

得意分野を軸にすることのもう一つの利点は、社長自身の安心感です。

不慣れな工事を無理に受けると、現場で予期しない手間が発生したり、仕上がりに不安を抱えたまま引き渡すことになったりします。これはお客様にとっても、社長にとっても良いことではありません。

得意な仕事を中心にすることで、現場での判断に迷いが減り、お客様への説明にも自信を持って答えられるようになります。そしてその自信ある対応こそが、「この人に頼んでよかった」という評価につながり、OB客からの紹介や、ご近所での口コミにつながっていきます。

価格競争で選ばれるのではなく、「この工事ならこの人が安心」という理由で選ばれる。そのための土台が、得意分野への絞り込みなのです。

まとめ

  • 何でも受ける姿勢は、不慣れな工事で時間がかかり、利益が残りにくくなる
  • 得意分野に絞ると、材料手配や作業手順に「型」ができ、段取りが速くなる
  • 見積もりの精度も上がり、根拠のある金額を提示しやすくなる
  • 絞っても、ご近所からの他の相談は自然に来る。専門外は紹介で対応すればよい
  • 絞ることは、社長自身の安心と、お客様からの信頼の両方につながる

まずは、これまでの工事の中で一番得意だと思えるものを1つ、チラシやホームページの一番目立つところに書いてみませんか。