2026年10月12日
材料費と手間を書くだけ。どんぶり勘定を抜ける最初の一歩
「儲かったかどうか」が分からないまま次の見積りを書いていませんか
工事が終わって、お金も入ってきた。でも、その工事がどれくらい儲かったのか、はっきり言えるでしょうか。
材料費はだいたいこれくらい、手間はまあこれくらい。全部ひとつの財布に入って、月末にまとめて「残ったお金」で儲かったかどうかを判断する。これが、いわゆる「どんぶり勘定」です。
どんぶり勘定の一番の問題は、難しい会計の知識が足りないことではありません。工事1件ごとの「利益」を見ていないことです。忙しくしているのに手元にお金が残らない社長さんの多くは、実は儲かる工事と儲からない工事が混ざったまま、気づかずに受けているだけ、ということがよくあります。
難しい会計の話はしなくていい
経理ソフトを入れる、簿記を勉強する。そういう話は一切不要です。やることはひとつだけ。
工事が終わったら、その工事にかかった「材料費」と「手間(人件費)」を書き出す
これだけです。ノートでもスマホのメモでも、形は何でも構いません。
- 材料費:レシートや納品書に書いてある金額をそのまま
- 手間:かかった日数や時間 ×(職人さんの日当や、自分の人件費の目安)
この2つを工事代金から引いた残りが、その工事の「利益」です。難しい用語で言えば粗利ですが、ここでは「残ったお金」と考えておけば十分です。
書き出すと、何が見えてくるか
1件書いただけでは何も分かりません。でも、3件、5件と工事ごとに書き溜めていくと、だんだんパターンが見えてきます。
- 同じような規模の工事でも、材料費の割合が大きく違う工事がある
- 「早く終わって助かった」工事ほど、実は利益が残っている
- 逆に「手間がかかって大変だった」工事ほど、利益が薄い、あるいは出ていない
これが分かると、「忙しいのに儲からない」原因がどこにあるのか、感覚ではなく書いた記録で確認できるようになります。
値決めにどうつなげるか
工事ごとの利益が見えてきたら、次にやることは「次の見積りの値段を、記録を見ながら決める」ことです。
今までは「このくらいの工事なら、相場でこれくらいだろう」という感覚で値段をつけていたかもしれません。これからは、
- 似たような工事の過去の記録を見る
- 材料費と手間を、今の相場に合わせて見積りに積み上げる
- そこに、残したい利益をきちんと乗せる
という順番で値段を決めます。安いから受けるのではなく、「材料費と手間と、残したい利益」を足した金額だから、その値段になる。これなら、お客様に聞かれても胸を張って説明できます。
材料や燃料の価格は変わっていくものですので、見積りを作るたびに最新の相場を確認する習慣も一緒に持っておくと安心です。
最初の1件から始めればいい
全部の過去の工事を遡って書き出す必要はありません。今週終わる工事、あるいは次に終わる工事、1件だけでいいので材料費と手間を書き出してみてください。それだけで、どんぶり勘定から抜ける最初の一歩になります。
まとめ
- どんぶり勘定の問題は、工事1件ごとの利益を見ていないこと
- 工事が終わったら「材料費」と「手間」をメモに書き出すだけでいい
- 続けて書くと、儲かる工事・儲からない工事のパターンが見えてくる
- 見えた利益の記録を使って、次の見積りの値段を「感覚」から「計算」に変えていく
まずは今週終わる工事1件だけ、材料費と手間を書き出すところから始めてみましょう。