2026年10月9日
夫婦・家族で回す工務店の役割分担。現場以外を分けると強くなる理由
現場に出ている間、電話は鳴りっぱなしかもしれません
一人親方や数名の工務店では、社長が現場に出ている間、電話やLINEの問い合わせは止まりません。でも手は材料を抱えていて、出られない。これは[「現場中で出られない電話、逃さない受け方の工夫」]でも触れた話ですが、今回は「誰が何を持つか」という役割の分け方そのものを考えてみます。
夫婦や家族で工務店をやっている場合、実はここに強みがあります。現場は社長、電話や経理は奥さんや息子さん、SNSは若い世代が担当、という形で自然と分かれている会社も多いはずです。これを「なんとなくの手分け」から「決めた役割」に変えるだけで、お互いの負担感がぐっと減ります。
まず現場以外の仕事を書き出してみる
役割分担を考える前に、現場以外にどんな仕事があるか、紙に書き出してみましょう。
- 電話・LINEの一次対応
- 見積書・請求書づくり
- 材料の発注・在庫の確認
- お金の管理(入金確認、支払い、通帳のチェック)
- SNSやブログの更新
- チラシの原稿づくり、ポスティングの手配
- OB客への季節のお便り、お礼状
こうして並べると、現場の腕とは全く別の種類の仕事がたくさんあることが分かります。社長一人がこれを全部抱えていたら、現場に集中できないのも当然です。[「社長の時間はどこへ消えた?事務の棚卸しから始めよう」]で書いた棚卸しを、家族の人数分で分け合う、というイメージです。
得意と気持ちで分ける、効率だけで分けない
役割を分けるとき、「効率がいいから」だけで決めると、どこかで無理が出ます。おすすめは、得意なことと、やりたい気持ちの両方で分けることです。
例えば、
- 電話が得意で、お客さんの話をじっくり聞けるタイプの人が電話番
- 数字を見るのが苦にならない人が経理と「お金の日」の担当
- スマホ操作に慣れている人がSNSや現場写真の投稿
無理に「若いからSNSやって」と押しつけると、続きません。[「SNSが続かない社長へ。投稿はAIに任せてしまおう」]でも触れたように、今はAIに下書きを手伝ってもらえる時代なので、文章が苦手でも担当になれます。得意かどうかより「この人がやると安心して任せられる」という感覚を大事にしてください。
家族経営だからこそ見せられる温かみ
大きな会社にはできないことがあります。それは「この会社は家族でやっている」という安心感を、お客さんにそのまま見せられることです。
- 電話に出た奥さんが「うちの主人がちょうど近くの現場にいるので、すぐ向かわせます」と答える
- チラシに夫婦や親子の写真を載せて、「この人たちが来るんだ」と分かるようにする
- SNSで「今日は息子が現場、妻が事務所でお客様対応」といった日常をそのまま伝える
[「チラシに顔写真を載せると反響が変わる理由」]でも書きましたが、顔が見える安心感は、価格競争とは別の土俵で選んでもらう力になります。家族でやっていることは隠す必要はなく、むしろ「困ったときにちゃんと向き合ってくれそう」という印象につながります。
分けたら、月1回は擦り合わせる
役割を分けたら、それぞれに任せきりにせず、月に1回くらいは顔を合わせて確認する時間を作りましょう。[「家族と月1回、数字を見て話す日をつくる理由」]でも触れた通り、お金の話だけでなく、
- 電話で困ったお客さんの対応はなかったか
- SNSで反応がよかった投稿はどれか
- チラシや紹介で来た問い合わせはどのくらいあったか
こうした情報を共有するだけで、次の工事やチラシのネタにもつながります。役割は分けても、情報は家族全員で持っておくことが、小さな会社の強みを保つコツです。
まとめ
- 現場以外の仕事(電話・経理・SNS・チラシなど)をまず紙に書き出す
- 効率だけでなく、得意なこととやりたい気持ちで役割を分ける
- 家族でやっていることを隠さず、顔写真や日常の発信で温かみを見せる
- 分けた役割は月1回すり合わせて、情報は家族全員で共有する
現場以外の仕事を誰が持つか、今週は一度、家族で紙に書き出して話してみませんか。