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その施工事例、工事の記録になっていませんか

その施工事例、工事の記録になっていませんか

その施工事例、ただの「作業報告」になっていませんか

ホームページやチラシに、施工事例を載せている工務店さんは多いと思います。ビフォーの写真、アフターの写真、そして「浴室リフォーム工事」「外壁塗装工事」といった工事名。

でも、これだけだと読んだ人の心には残りません。なぜなら、そこに「人」が出てこないからです。

施工事例は、工事の記録ではなく、お客さんの物語です。「困っていた人が、どう変わったか」が伝わって初めて、読んだ人は「自分の悩みも相談していいんだ」と思えるのです。

「工事の記録」と「お客さんの物語」は何が違うのか

たとえば、同じ浴室リフォームでも、書き方でこれだけ印象が変わります。

工事の記録の書き方 「在来浴室からユニットバスへの交換工事。工期5日間。断熱材施工済み。」

お客さんの物語の書き方 「冬になると、浴室の床がひんやり冷たくて、お風呂に入るたびに『寒いね』が口癖になっていたそうです。特にお孫さんが遊びに来たとき、裸足で歩くのが心配だったとおっしゃっていました。今回、床や壁に断熱の工夫をしたことで、『冬でも足元がひんやりしなくなった』と喜んでいただけました。」

専門用語を使わなくても、困りごとと変化さえ伝われば、十分に価値のある記事になります。むしろ「在来工法」「防水パン」といった言葉は、読んでいる人にとっては何の話かわからず、そこで読むのをやめてしまう原因にもなります。

施工事例の型は3つでシンプルに

書くときに迷わないよう、次の3つの順番で組み立てるとまとまりやすいです。

1. お客さんが困っていたこと(ビフォー)

「何に困っていたか」を具体的に書きます。「古かったから」ではなく、「朝の忙しい時間に、家族が洗面所で並んでしまって困っていた」のように、そのお客さんの暮らしの中の困りごとを書くと、読んだ人が自分ごととして想像しやすくなります。

2. どんな工事をしたか(かんたんに)

ここは詳しく書きすぎないのがコツです。専門用語は避け、「こういう工夫をしました」くらいの一言で十分です。工事の細かい工程は、興味がある人だけが聞けばよい話で、多くの読者が知りたいのはそこではありません。

3. どう変わったか(アフター)

暮らしがどう変わったか、お客さんがどんな言葉で喜んでくれたかを書きます。「明るくなりました」だけでなく、「朝、身支度の時間がスムーズになった」など、暮らしの場面が思い浮かぶ書き方にすると伝わりやすくなります。

写真も、工事中の引きの絵だけでなく、「実際にお客さんが使っている様子」が伝わる一枚があると、物語らしさがぐっと増します。

写真とお客さんの言葉、使うときの許可の取り方

施工事例で一番気をつけたいのが、写真やコメントを載せる「許可」です。お客さんの自宅の写真やお名前に関わる話なので、ここは丁寧にしておきたいところです。

  • 工事が完成した際に、「今回の工事の様子を、今後のお客様のご参考としてホームページやチラシでご紹介させていただいてもよろしいでしょうか」と、口頭で一言伝える
  • 「お名前は伏せて、〇〇市にお住まいのお客様、という形でご紹介します」など、どこまで公開するかを具体的に伝える
  • できれば一筆、簡単な承諾のメモや書面を残しておく(言った言わないを防ぐため)
  • 表札や車のナンバー、隣家が写り込んでいないかを写真ごとに確認する

個人情報の扱いに関するルールは変わることもあるため、迷ったときは事業者団体や専門家の窓口に最新の取り扱いを確認するようにしてください。

許可を取る一言は、実は営業のきっかけにもなります。「ご紹介させてもらってもいいですか」と聞かれたお客さんは、悪い気はしません。むしろ「うちの工事、そんなに良かったんだ」と、あらためて満足度が上がることもあります。

まとめ

  • 施工事例は「工事の記録」ではなく「お客さんの物語」として書く
  • 型は「困っていたこと→かんたんな工事内容→どう変わったか」の3ステップ
  • 専門用語は避け、暮らしの場面が思い浮かぶ言葉で伝える
  • 写真・コメントの掲載は、完成時に一言で許可を取る習慣をつける

今週撮った現場写真の中から1件だけ選んで、この3ステップで物語を書いてみませんか。