2026年9月7日
試算表とは?毎月もらいたい「今月の成績表」
決算書は「1年後の答え合わせ」
工事も事務も一人でこなしていると、お金のことは決算のときにまとめて見る、という社長さんは多いのではないでしょうか。
でも決算書は、1年間が終わったあとに出てくる「答え合わせ」のようなものです。そこで「思ったより利益が出ていなかった」「税金がこんなにかかるのか」と分かっても、その1年はもう戻ってきません。
途中で気づければ手が打てたのに、気づいたときには終わっている。これが、年1回の決算だけに頼る一番のもったいなさです。
試算表は「今月の成績表」
そこで役に立つのが「試算表」です。むずかしく聞こえますが、要は「今月までの売上と経費、利益を、月ごとにまとめた表」のことです。
学校の通知表を、学期末だけでなく毎月もらえるとしたら、子どもの様子が変わったときにすぐ気づけますよね。試算表は、それの工務店版だと思ってください。
- 今月までの売上はいくらか
- 経費はどれくらい使っているか
- 今のところ利益は出ているか
この3つが、ざっくりでも毎月見えるようになります。特別な会計知識がなくても、「先月より増えた・減った」だけ分かれば十分です。
数字が早く見えると、決断が速くなる
試算表を毎月見る一番の意味は、「早く気づける」ことです。
たとえば材料費が想定より上がっている、工事の件数が減っている、といったことは、決算を待たずに毎月の数字を見ていれば途中で分かります。早く気づけば、値上げの交渉をする、経費を見直す、次の仕事を早めに動くなど、社長として打てる手はまだたくさん残っています。
逆に、良い数字が出ているときも同じです。今月は利益が出ている、と分かれば、機械の入れ替えや求人など、思い切った判断もしやすくなります。お金の見通しが立つと、社長の決断は速くなるのです。
なお、利益が出ていても手元の現金が足りなくなることはあります。これは「黒字倒産」とも呼ばれる状態で、試算表と合わせて、毎月の入金・出金の流れ(資金繰り)もあわせて見ておくと安心です。
税理士へのお願いの仕方
試算表そのものは、税理士に頼んでいれば作れる資料です。ただ、忙しさの中で「年1回、決算のときだけ」の関係になっていることも珍しくありません。
もし心当たりがあれば、次のように伝えてみてください。
- 「毎月、試算表を出してもらうことはできますか」
- 「むずかしい説明はいらないので、売上と利益の推移だけ簡単に教えてほしい」
- 「試算表を見ながら、月1回、10〜15分だけ電話か対面で話したい」
会計ソフトを使っていれば、毎月の試算表はそれほど手間なく出せることが多いです。ただし対応できる範囲や費用は事務所によって異なるので、そこは遠慮せずに率直に相談してみてください。
お金の話を一人で抱え込む必要はありません。分からないことをそのままにせず、専門家に聞く。それだけで、心の負担はずいぶん軽くなります。
まとめ
- 決算書は1年後の答え合わせ。試算表は毎月の成績表
- 毎月の数字が見えると、社長の決断が速くなる
- 黒字でもお金が足りなくなることがあるので、資金繰りもあわせて確認する
- 税理士には「毎月、簡単でいいので試算表を見せてほしい」と伝えてみる
- なお税務や会計に関する制度は変わることがあるため、最新の内容は税理士や窓口で確認してください
まずは次に税理士と話す機会に、「毎月の試算表、見せてもらえますか」のひとことから始めてみましょう。