2026年9月15日
繁忙期と閑散期、お金の波をならす考え方
忙しい月と暇な月、両方あって当たり前
リフォームや外構の仕事は、季節で忙しさが変わりやすい商売です。台風のあとに問い合わせが増えたり、年末に向けて内装工事が集中したり、逆に真夏や真冬はぱたっと相談が減ったり。これは特別なことではなく、屋外の作業や暮らしの都合が絡む以上、自然な波だと思います。
問題は、この波そのものではなく、「忙しい月に入ったお金を、暇な月まで持ちこたえさせられるか」というところにあります。売上が多い月があっても、そのお金を先に使い切ってしまうと、次に工事が少ない月がきたときに、材料費や人件費、家賃の支払いで手元が苦しくなります。いわゆる「黒字なのにお金が足りない」という状態です。年間で見れば利益が出ていても、月ごとの現金の出入りがガタガタだと、社長は毎月ヒヤヒヤすることになります。
まず「1年のお金の波」を紙に書いてみる
難しい表計算はいりません。ノートかスマホのメモに、月ごとに「入ってきたお金」と「出ていったお金」をざっくり書き出してみてください。過去1年分の通帳や請求書を見返せば、だいたいの傾向がつかめるはずです。
「この月は工事の入金が重なって多い」「この月は材料の支払いばかりで薄い」というのが見えてくると、それだけで気持ちが変わります。何がやってくるか分からない不安と、いつ薄くなるか分かっている状態とでは、社長の心の余裕がまったく違います。波が見えれば、備え方も具体的になります。
忙しい月にやること:使う前に、先に分けておく
忙しい月に入ったお金は、つい「今月は余裕がある」と感じて、設備投資や新しい工具、車の入れ替えなどに使いたくなるものです。もちろん必要な投資は大事ですが、その前に一度、薄い月の分を確保しておくことをおすすめします。
やり方はシンプルで、忙しい月の入金があったタイミングで、生活費や工事費とは別の口座やお財布に、一定額を移しておくだけです。「今月の利益の中から、こつこつ薄い月のために取り分けておく」という発想です。何ヶ月分あれば安心かは会社によって違いますし、正確な目安は税理士に相談しながら決めるのが確実ですが、まずは「先に分ける」という動きを1回試してみることが第一歩になります。
薄い月にやること:点検・小工事で仕事をつくる
備えると同時に、薄い月そのものを埋める工夫もできます。大きなリフォーム工事は季節で波がありますが、点検や小さな修繕は、年間を通して声をかけやすい仕事です。
たとえば、過去に工事をしたお客様に「季節の変わり目なので、無料点検はいかがですか」と一声かけてみる。網戸の建付け、雨どいの詰まり、水回りのパッキン交換といった小工事は、大きな売上にはならなくても、薄い月の手元資金を支え、次の大きな相談につながる入口にもなります。忙しい月にはできなかった「お客様に会いに行く時間」を、あえて薄い月に使うという考え方です。
波をならす相談は、税理士にもしていい
自社の波がどれくらいの大きさで、どれくらいの手元資金があれば安心かは、決算書や試算表を見ている税理士のほうが客観的に見えることが多いです。「今月お金が足りません」という相談だけでなく、「うちは何月が薄くて、何月が厚いのか」「備えとしてどれくくらい確保しておくとよさそうか」という相談も、税理士にしてよい話です。一人で抱え込まず、数字を見せながら一緒に考えてもらう相手として使ってみてください。なお、税金や融資に関する制度は変わることがあるので、最新の内容は税理士や窓口で確認するようにしてください。
まとめ
- 忙しい月と暇な月の波は、業種として自然にあるもの
- 過去1年の入出金を書き出し、自社の波の形をまず知る
- 忙しい月の入金は、先に一部を薄い月のために分けておく
- 薄い月は、点検や小工事でお客様に会いに行く時間にあてる
- 自社の波の大きさや備えの目安は、税理士にも相談してよい
波があること自体は悪いことではありません。波の形を知り、先に手を打っておくことが、社長の心を軽くする一番の近道です。