2026年9月27日
1人親方の給料、「残ったら払う」で決めていませんか
「今月、自分はいくらもらったか」に即答できますか
一人親方や小さな工務店の社長さんに聞くと、驚くほど多くの方がこう答えます。
「決算のときにまとめて」「余った分を生活費に回して」「今月は現場が忙しくて、自分の分は後回し」
これ、実はとても危ない状態です。お金の不安のいちばんの元は、「今どうなっているか分からないこと」。売上が上がっているのに、なぜか手元にお金が残らない。忙しいのに、生活が楽にならない。その原因の多くは、自分の給料を「残ったら払うもの」にしていることにあります。
「残ったら払う」がしんどい本当の理由
自分の給料を後回しにすると、こんなことが起きます。
- 材料費や外注費を先に払って、残った分が自分の取り分になる
- 忙しい月は多く取れて、暇な月はゼロになる
- 生活費が足りないときだけ、事業のお金から引き出す
- 事業のお金と生活のお金の境目があいまいになる
これでは、来月いくら生活費に使えるか、社長自身にも分かりません。見通しが立たないから、値引きにも強く出られない。無理な仕事も断れない。お金の不安が、日々の決断のスピードを鈍らせているのです。
逆に言えば、自分の給料が先に決まっていれば、「今月はこれだけ確保できた」「これだけ残った分は事業に回そう」と、頭を使わずに判断できるようになります。
先に決める。金額設定の考え方
会社員なら当たり前の「給料は先に決まっている」という状態を、一人親方の自分にも作ってあげましょう。手順はシンプルです。
1. 生活に最低限いくら必要かを出す
家賃・食費・光熱費・保険・お子さんの学費など、毎月かならず出ていく生活費を数字にします。ここは「なんとなく」ではなく、通帳や家計簿を見ながら実際の金額で出すのがポイントです。
2. そこに少し余裕を乗せる
生活費ぴったりだと、急な出費で崩れます。多少の余裕分を上乗せした金額を「自分の月給」として仮決めします。
3. 毎月決まった日に、決まった額を「自分の給料」として先に取り分ける
事業用の口座から、生活用の口座へ、毎月同じ日に同じ額を移す。これだけです。残った分でやりくりするのではなく、先に取り分けてから、残りで材料費や経費を回していく発想に変えます。
「先に取り分ける」ためにやること
とはいえ、材料費や税金の支払いも事業の口座から出ていきます。先に給料を取り分けて大丈夫か不安な方は、まず1週間、次のことをやってみてください。
- 今月これから入ってくる予定のお金を書き出す
- 今月これから出ていく予定のお金(材料費・外注費・税金の積立など)を書き出す
- 両方を並べて、「先に自分の給料を取り分けても大丈夫か」を確認する
このひと手間だけで、給料を先に決めても資金繰りが回るかどうかが見えてきます。もし厳しいようなら、金額を少し下げて仮決めし直せば大丈夫です。完璧な金額を一発で当てる必要はありません。
金額に迷ったら、専門家にも相談を
「自分の給料をいくらにすればいいか」は、事業の規模や利益、税金の仕組みとも関わる話です。自己流で決めきれないと感じたら、税理士に「生活費としてこれくらい欲しいのですが、事業として無理のない金額か見てほしい」と相談してみるのも一つの方法です。数字を一緒に見てもらえると、思っている以上に気持ちが軽くなります。
なお、税金や社会保険の制度は変わることがあるので、最新の情報は税理士や窓口で確認してください。
まとめ
- 自分の給料は「残ったら払う」ではなく、先に金額を決めて取り分ける
- 生活費を実額で出し、少し余裕を乗せて「月給」を仮決めする
- 毎月決まった日に、事業用口座から生活用口座へ同じ額を移す
- 先に取り分けて大丈夫か、1週間分の入出金を書き出して確認する
- 金額の妥当性に迷ったら、税理士に一緒に見てもらうのも手
まずは今月、自分の「仮の月給」を1つ数字で決めてみることから始めてみませんか。