2026年9月1日
保険の見直し、削っていいのは掛け捨てじゃなく「順番」です
保険、なんとなく入ったまま放置していませんか
工務店を始めるとき、付き合いや勧められるままに入った保険、ありませんか。
その後、忙しさに追われて見直す機会がなく、「よく分からないけど、たぶん大事なものだろう」と、そのまま払い続けている。そんな社長さんは少なくないと思います。
保険は本来、いざというときに会社と家族を守るための備えです。ですが、入りすぎれば毎月の固定費を圧迫しますし、逆に入らなすぎれば、事故やケガが起きたときに会社の存続が危うくなります。
今回は「何を削って、何を残すか」の考え方を整理してみます。ただし、どの保険をいくら削るべきかという個別の判断は、保険の担当者や税理士に確認しながら進めてください。
削ってはいけない「仕事を守る保険」
まず大前提として、工事保険や労災まわりの保険は、基本的に削る対象ではありません。
理由はシンプルで、これらは「起きたら会社が一発で傾きかねないこと」に備えるものだからです。
- 工事中の事故で近隣や第三者にケガをさせてしまった、モノを壊してしまった
- 現場で職人さんがケガをした
- 完成した工事に欠陥が見つかり、後から補修や賠償が必要になった
こうした場面でお金が足りないと、工事代金どころか会社の存続に関わります。しかも、事故は「多い・少ない」ではなく「起きるか起きないか」の話です。可能性が低いからといって外していい種類の備えではありません。
一人親方の方であれば、労災の特別加入も含めて、現状どこまでカバーされているかを一度確認しておくと安心です。すでに入っている保険証券があれば、補償の範囲と金額を、担当者に「今のままで足りているか」と聞いてみるだけでも十分な一歩になります。
見直しの余地があるのは「貯蓄型」の保険
一方で、見直しの余地があるのは、貯蓄も兼ねた保険や、退職金づくりを目的にした保険です。
こうした保険は、月々の保険料の中に「万が一の保障」と「積み立て」が混ざっています。悪いものではありませんが、次の2つを分けて考える必要があります。
- 保障として本当に必要な金額はいくらか
- 積み立てとして、その保険料を払い続けられる資金繰りになっているか
ここで大事なのは、[[「黒字なのにお金がない」]]という状態と同じ理屈です。保険料を払うこと自体は正しくても、毎月の手元資金を圧迫してまで積み立てを続けていては、本末転倒になりかねません。
見直しの手順は難しくありません。
- 今入っている保険証券を全部机の上に並べる
- 「保障(何かあったときにお金が出る)」か「積み立て(貯蓄)」か、1枚ずつ仕分ける
- 積み立て型については、月の保険料と、今の手元資金の余裕を照らし合わせる
この3つをやるだけで、「これは削れるかもしれない」「これは残すべきだ」という輪郭がはっきりしてきます。
判断に迷ったら、資金繰りとセットで相談する
保険の見直しは、保険単体で考えると判断を誤りやすいところがあります。
たとえば、解約すると損をするからと契約を続けた結果、毎月の資金繰りが苦しくなる。逆に、目先の資金繰りを楽にしたくて必要な保障まで削ってしまう。どちらも避けたい結果です。
そこでおすすめしたいのは、保険の見直しを、資金繰り表とセットで税理士に相談することです。税理士は会社全体のお金の流れを見ている立場なので、「この保険料を払い続けても資金繰りは大丈夫か」という視点で一緒に考えてもらえます。
保険の担当者は保険の専門家、税理士はお金の流れの専門家です。両方の視点を合わせることで、初めて「削っていい部分」と「残すべき部分」がはっきり見えてきます。
なお、保険や税金に関する制度は変わることがあります。個別の商品の是非や、解約による損得については、最新の情報を保険の担当者や税理士に確認しながら判断してください。
まとめ
- 工事保険・労災まわりは、会社の存続に関わるため基本的に削らない
- 貯蓄型の保険は「保障」と「積み立て」を分けて考える
- 保険証券を並べて仕分けるだけでも、見直しの輪郭が見えてくる
- 積み立て型の保険料は、資金繰りと照らし合わせて判断する
- 個別の判断は保険の担当者・税理士に、資金繰り表を見せながら相談する
保険証券、今どこにあるか、まずは今週中に一度並べてみることから始めてみませんか。