2026年9月18日
「粗利」って結局なに? 1分で分かる工務店の粗利
売上が多くても、安心できない理由
「今月は売上800万円でした」と聞くと、儲かっているように感じます。ですが、工務店の経営で本当に見るべき数字は、売上ではなく「粗利」です。
売上がどれだけ大きくても、材料費や外注費がそれ以上にかかっていれば、手元に残るお金はわずかです。逆に、売上はそこそこでも、粗利がしっかり残っていれば、会社は問題なく回ります。
会社の家賃も、職人さんの給料も、社長自身の生活費も、すべてこの「粗利」から支払われています。売上ではなく粗利を見る癖をつけることが、経営の不安を減らす第一歩です。
粗利ってそもそも何?
むずかしく考える必要はありません。粗利は、ざっくり言うとこの引き算です。
粗利 = 売値 −(材料費 + 外注費)
たとえば、100万円の工事を受けて、材料費が30万円、外注の職人さんへの支払いが40万円だったとします。この場合、
100万円 −(30万円+40万円)= 30万円
これが粗利です。つまり、この工事で会社に残るお金は30万円ということになります。ここから会社の家賃や事務の人件費、社長の取り分などを支払っていくわけです。
売上100万円と聞くと大きく感じますが、実際に会社に残るのは30万円だけ、というのが粗利の考え方です。この「残る分」を見ずに動いていると、忙しいのにお金が残らない、という状態になりやすくなります。
粗利率も一緒に見ておく
金額だけでなく、「粗利率」も合わせて見ておくと、工事ごとの比較がしやすくなります。
粗利率 = 粗利 ÷ 売値
先ほどの例なら、30万円 ÷ 100万円 で、粗利率は30%です。
粗利率を見ておくと、「この工事は売上は大きいけれど、粗利率は低かった」「この工事は売上は小さいけれど、粗利率は高かった」という違いに気づけます。忙しさの割にお金が残らない工事があるとしたら、その原因は粗利率にあることが多いです。
今週の宿題:自社の平均粗利率を出してみる
ここまで読んで、「なんとなく分かったけど、自社の粗利率がいくらか分からない」という方も多いと思います。まずは、ざっくりでいいので出してみましょう。
- 直近で完了した工事を3〜5件ほど選ぶ
- それぞれの工事について、「売値」「材料費」「外注費」を書き出す
- 工事ごとに粗利と粗利率を計算する
- 粗利率を単純に平均してみる
厳密な数字でなくて構いません。領収書や請求書、見積書が手元にあれば十分です。大事なのは、「うちは平均するとだいたい〇〇%くらいなんだな」という肌感覚を持つことです。
この平均粗利率が分かると、次に見積もりを作るときの目安になりますし、「この工事は普段より粗利率が低いから、値引きの余地はあまりない」といった判断も速くなります。
なお、この粗利率がそのまま節税や税額の計算に直結するわけではありません。数字の使い方や、税金に関わる判断については、制度が変わることもありますので、最新の内容は税理士や窓口に確認しながら進めてください。一人で抱え込まず、数字を持って相談するだけでも、話はぐっと早く進みます。
まとめ
- 会社を回しているのは売上ではなく「粗利」
- 粗利 = 売値 −(材料費+外注費)、粗利率 = 粗利 ÷ 売値
- 忙しいのにお金が残らない工事は、粗利率が低いことが多い
- 今週、直近の工事3〜5件で粗利率を出してみる
- 自社の平均粗利率が分かれば、見積もりや値引きの判断が速くなる
まずは1件でいいので、直近の工事の粗利を計算するところから始めてみてください。