2026年9月25日
売上目標をやめて粗利目標にする理由と立て方
売上目標だけを追うと、なぜ苦しくなるのか
「来期は売上1億円を目指そう」——こういう目標、よく聞きますよね。ですが売上には、材料費や外注費も全部含まれています。同じ1000万円の工事でも、粗利(工事代金から材料費・外注費を引いた「手元に残る利益のもと」)が300万円の工事もあれば、150万円の工事もあります。
売上だけを目標にすると、「売上が伸びればいい」という発想になりやすく、値引きしてでも件数をこなそう、忙しいけど手元にお金が残らない、という状態に陥りがちです。目標を「粗利額」に切り替えるだけで、この動きにブレーキがかかります。
粗利は「手元に残るお金のもと」
粗利は、そこから人件費や家賃、車両費などの固定費を払い、最後に残ったものが利益になります。つまり粗利は、会社が生きていくための土台のお金です。売上がどれだけ大きくても、粗利が薄ければ固定費を払いきれず、お金は減っていきます。
来期の目標を立てるときは、まず「いくら売るか」ではなく「いくら粗利を確保するか」から考えてみましょう。
来期の粗利目標を立てる4つの手順
1. 今期の粗利実績を確認する
まずは今期(できれば直近1年)の売上と、材料費・外注費の合計を出し、粗利額と粗利率(粗利÷売上)を確認します。数字が手元にない場合は、試算表や決算書を見れば分かります。分からないときは、顧問税理士に「粗利率を出したいので数字を見せてほしい」と相談すれば早いです。
2. 来期に必要な固定費を洗い出す
人件費、事務所家賃、車両費、保険料など、毎月ほぼ決まって出ていくお金を全部足します。ここに「これくらいは利益として残したい」という額を上乗せしたものが、来期に最低限必要な粗利額になります。
3. 粗利率から逆算して受注の目安を出す
「必要な粗利額」を、今期の粗利率で割ると、来期の目安となる売上規模が見えてきます。たとえば必要な粗利額が1200万円で、粗利率が30%なら、目安の売上は4000万円ということです。この計算式自体は難しくありませんが、粗利率は工事の種類によって変わるので、あくまで目安として使ってください。
4. 値引きの基準として使う
目標を粗利額で持っていると、値引きの相談を受けたときの判断が速くなります。「あと5万円安くならない?」と言われたとき、その5万円がまるごと粗利から減ることが分かっていれば、「どこまでなら応じられるか」を即座に判断できます。逆に、目標が売上だけだと、値引きしても「件数はこなせている」ように見えてしまい、気づいたら手元にお金が残らない、ということになりかねません。
まとめ
- 来期の目標は、売上額ではなく「粗利額」で立てる
- 手順は「①今期の粗利実績を出す→②必要な固定費と利益を足す→③粗利率から逆算する→④値引き判断の基準にする」
- 粗利率は工事の種類で変わるので、正確な数字は顧問税理士にも確認しながら進める
まずは今期の粗利実績を出すところから、今週やってみませんか。