2026年9月22日
OB客リストは眠らせるだけの名簿じゃない。会いに行く理由の作り方
その名簿、住所録で終わっていませんか
過去にお願いをいただいたお客さんの名前と住所。パソコンや紙の台帳に、眠ったままになっていないでしょうか。
新しいお客さんを探すのは、時間もお金もかかります。チラシを配って、反響を待って、見積もりを出して……。でも、一度工事をさせてもらったお客さんは、すでにあなたの仕事ぶりを知っています。この「知っている」という距離の近さは、何年経っても簡単には消えません。OB客リストは、そういう意味で宝と呼べるものです。
ただし、宝は持っているだけでは何も生みません。会いに行って、はじめて意味が出てきます。
「点検のご案内」という、いちばん自然な口実
とはいえ、いきなり「何かご依頼はありませんか」と訪ねるのは、お客さんにとっても気まずいものです。ここで役立つのが「点検のご案内」という口実です。
「〇年前にお世話になった工事、そろそろ一度見せていただけますか」
これなら、営業ではなく気遣いとして届きます。実際、屋根や外壁、水回りの工事は、年数が経てば経つほど、様子を見ておいたほうがいい部分が出てくるものです。専門的に何年目にどこを見るべきかは工事の内容によって変わるので、断定はできませんが、「あのとき工事した場所、今どうなっているか気になりませんか」という声かけ自体が、お客さんへの誠実さの表れになります。
案内の言葉は、はがきでも電話でも構いません。大切なのは「売り込み」ではなく「様子を見に伺う」という姿勢で伝えることです。
10年前の工事のその後を、自分の目で見る価値
点検に伺うことには、もうひとつ大きな意味があります。それは、自分たちの仕事のその後を、自分の目で確かめられることです。
10年前に施工した屋根や外壁が、実際にどう風雨に耐えてきたか。どこが傷みやすく、どこがしっかり持ちこたえているか。これは、現場を離れてしまえば普段は見えないものです。実際に見に行くことで、次の提案に活かせる材料が手に入ります。
さらに、お客さんの暮らしぶりも変わっています。子どもが独立して部屋が空いた、水回りが使いにくくなってきた、そろそろ外壁の色を変えたい。世間話の中から、こうした「次の困りごと」の芽が出てくることは少なくありません。点検はきっかけに過ぎませんが、そこから生まれる会話には、思わぬ相談が隠れていることがあります。
何を持って、何を話すか
訪問の際は、手ぶらではなく、簡単な記録を持っていくと話がスムーズです。
- 当時の工事内容がわかるメモや写真(残っていれば)
- 「今日は無料で見させていただきます」という一言
- 気になる箇所があれば、その場で写真に撮って見せる
このとき大事なのは、その場で見積もりを出したり、契約を急かしたりしないことです。今回はあくまで「様子を見に来た」立場。気になる点があれば「よろしければ、後日あらためて詳しくご案内できます」と伝える程度にとどめておきましょう。焦らない姿勢こそが、次につながる信頼を積み重ねます。
誰から回るか。優先順位のつけ方
OB客が多い工務店ほど、全員に一度に会いに行くのは現実的ではありません。優先順位をつけて、少しずつ回るのがおすすめです。
- 工事から年数が経っているお客さん(外壁・屋根など、経年で様子を見たい工事)
- 以前、紹介やあいさつで好意的だったお客さん
- 近い時期に近所で工事をする予定があり、ついでに立ち寄れるお客さん
一度にたくさん回ろうとせず、「今月は3件」「点検はがきを月に5通」といったペースで十分です。続けることのほうが、一気にやることより効果があります。
まとめ
- OB客リストは、会いに行ってはじめて意味を持つ宝です
- 「点検のご案内」は、営業ではなく気遣いとして自然に届く口実になります
- 訪問時は見積もりを急がず、「様子を見に来た」姿勢を大切にしましょう
- 優先順位をつけて、無理のないペースで少しずつ回るのがコツです
今月は、名簿の中から3件だけ選んで、点検のはがきを書いてみませんか。