2026年8月26日
売掛金の回収漏れを防ぐ、月末10分チェック
売上は伸びているのに、なぜか苦しい
工事は順調に終わっている。請求書も出している。それなのに、月末になると手元のお金が足りない――そんな感覚を抱えている社長さんは少なくありません。
その原因のひとつが、売掛金の回収漏れです。売掛金とは、工事は終わっているのに、まだ入金されていないお金のこと。忙しい現場の合間に請求書を出して、そのあとの入金確認まで手が回らず、気づいたら数ヶ月放置していた、ということが起きやすいのです。
黒字でも、入金が遅れればお金は足りなくなります。売上の数字と、手元にあるお金は、別のものだと考えておくことが大切です。
「請求した・入金された・まだ」の3列だけでいい
回収漏れを防ぐのに、難しい会計ソフトは要りません。ノートでもエクセルでも構わないので、次の3列を作るだけで十分です。
- 請求した(お客様名・金額・請求日)
- 入金された(入金日・金額)
- まだ(未入金の金額・請求からの経過日数)
工事が終わって請求書を出したら、まず1列目に書き込みます。通帳に入金が確認できたら、2列目に日付と金額を書き、3列目から消し込みます。これだけで、「今、誰からいくら回収できていないか」が一目でわかるようになります。
頭の中だけで管理していると、忙しい時期ほど抜け落ちます。紙やデータに残しておくことが、回収漏れを防ぐいちばんの土台です。
月末10分のチェックのやり方
この3列表を、月末に10分だけ見返す時間を作りましょう。やることはシンプルです。
- 「まだ」の列に残っている案件を確認する
- それぞれ、請求してから何日経っているかを見る
- 目安として、契約時に決めた入金予定日(入金サイト)を過ぎているものに印をつける
印がついた案件があれば、それが今月のうちに動くべきものです。ここでのポイントは、「催促するかどうか」を毎回悩まないこと。あらかじめ「請求から〇日過ぎたら連絡する」というルールを自分の中で決めておくと、声をかけるタイミングで迷わなくなります。
払ってもらえない時の声のかけ方
催促は気が重いものですが、確認の連絡だと考えると少し気持ちが楽になります。言葉選びの例をいくつか挙げます。
まず入金予定日の少し前に、軽く確認するだけならこのような形です。 「先日ご請求させていただいた分ですが、〇月〇日ご入金予定とのことで承知しております。念のためご確認まで、ご連絡いたしました。」
予定日を過ぎてしまった場合は、行き違いを前提にした聞き方が角が立ちません。 「〇月〇日にご請求書をお送りした件、行き違いでしたら申し訳ございません。ご入金の確認ができておりませんので、状況を教えていただけますでしょうか。」
大切なのは、責めるのではなく「確認させてください」という姿勢で伝えることです。お客様側の単純な支払い忘れであることも多く、一声かけるだけで解決するケースは珍しくありません。
なお、繰り返し滞納が続く場合や、法的な対応を考える必要が出てきた場合は、一人で抱え込まず、税理士など専門家に相談してください。お金の管理は、社長がすべて自分でやらなければいけないものではありません。
まとめ
- 売掛金は「請求した・入金された・まだ」の3列だけで管理を始められる
- 月末10分、「まだ」の列を見返す習慣をつくる
- 催促は責める言葉ではなく、確認の言葉で伝える
- 抱え込まず、専門家に相談してよい
今月の請求書を、まずはこの3列に書き出すところから始めてみてください。