2026年8月25日
追加工事、言い出せずに利益が消えていませんか
現場で「ついでに、ここもお願いできますか」と言われて、つい「いいですよ」と答えてしまう。そんな場面、心当たりはありませんか。
その場の空気を壊したくない、お客様に嫌な顔をされたくない。気持ちはよく分かります。ですが、その「ついで」が積み重なると、月末に利益がほとんど残っていない、ということが起こります。
サービス工事の積み重ねが利益を消す
1件1件は小さな追加でも、材料費と手間がかかっているのは事実です。それを毎回サービスにしていると、見積書の上では黒字のはずの工事が、実際にはギリギリの利益、あるいは赤字で終わっていることがあります。
怖いのは、この積み重ねが「見えにくい」ことです。1件ごとの赤字は数千円〜数万円でも、月に何件も重なれば、手元に残るお金は確実に減っていきます。売上は変わらないのに、なぜかお金が残らない。その原因の一つが、この「言えなかった追加工事」だったりします。
後から請求するより、先に伝えるほうが信頼される
追加工事が出たとき、多くの人がやってしまうのが「とりあえず作業を進めて、後で請求書に載せる」という順番です。これがトラブルのもとになります。お客様からすれば、頼んだ覚えのない金額が急に出てきたように感じてしまうからです。
逆に、作業に入る前に「これをやると、これくらいの費用がかかります」と一言伝えておくと、お客様は「ちゃんと教えてくれる人だ」と感じます。金額そのものより、先に伝えてくれたかどうかが、信頼を左右するのです。
これは値上げの話ではありません。かかる費用を、かかるタイミングで伝えるだけの話です。
追加が出た時点で伝える言葉の例
難しい言い回しはいりません。次のような一言で十分です。
- 「ここ、ついでにやっておくと後々助かると思いますが、材料代で〇〇円ほどかかります。やっておきますか」
- 「せっかくなので見てみたら、ここも直したほうが良さそうです。追加で〇〇円ほどになりますが、どうしますか」
- 「これは元の見積もりに入っていない作業なので、先にひとこと確認させてください」
ポイントは「作業前に」「金額のめやすとセットで」伝えることです。お客様が「じゃあ今回はいいです」と言えば、それも一つの答えです。断られたくないからと黙って進めるより、選んでもらうほうが、結果として関係は長く続きます。
今週やってみること
やることは一つだけです。次に現場で追加が出たら、作業を始める前に、金額のめやすを一言添えて伝えてみてください。それだけで構いません。
慣れないうちは緊張するかもしれませんが、何度か言葉にしてみると、自分なりの言い回しが見つかります。そして、伝えた分だけ、見積もりと実際の入金のズレが減っていきます。
もし「そもそも自社の原価に、こういう小さな追加作業の手間がきちんと乗っているか分からない」という場合は、一人で悩まず、税理士に一度相談してみるのも手です。原価の考え方や利益の見方は、専門家と話すことで整理しやすくなります。
まとめ
- 追加工事のサービスの積み重ねは、気づかないうちに利益を消していく
- 後から請求するより、作業前に金額のめやすを伝えるほうが信頼される
- 「材料代で〇〇円ほどかかりますが、どうしますか」と一言添えるだけでよい
- 今週、現場で追加が出たら、まずは作業前のひとことを試してみてください
言いにくい一言を、先に伝える一言に変えることが、利益とお客様の信頼を同時に守る、いちばん小さな一歩です。