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銀行に相談する前にそろえておきたい3つのもの

銀行に相談する前にそろえておきたい3つのもの

「なんとなく相談」が話を長引かせる

銀行や信用金庫に「運転資金の相談をしたい」と電話をかける。これ自体は、何も難しいことではありません。ただ、その先の面談で、社長が言葉に詰まってしまう場面をよく見かけます。

「今期の売上は、だいたい去年と同じくらいで」 「来月の入金は…現場によりますね」

悪気があるわけではなく、日々の仕事に追われていれば当たり前のことです。ただ、銀行の担当者は、感覚の話ではなく数字の話を聞きたいと思っています。そこがかみ合わないと、面談が一往復で終わらず、何度も呼ばれることになり、結果として時間がかかってしまいます。

逆に言えば、数字さえ手元にあれば、初回の面談はぐっとスムーズになります。今回は、相談前にそろえておきたい3つのものをお伝えします。

1つ目・直近の決算書

まず必要なのが、直近1〜2期分の決算書です。すでに顧問税理士に依頼していれば、手元にあるはずのものです。

ここで社長がやることは、中身を全部理解することではありません。「売上」「利益(黒字か赤字か)」「借入の残高」の3つの数字だけ、自分の言葉で言えるようにしておくことです。担当者から聞かれて、決算書を見ながらでも答えられれば十分です。

2つ目・試算表

決算書は「過去1年間」の記録です。ただ、銀行が本当に知りたいのは「今」の状態です。そこで役に立つのが試算表です。

試算表は、決算のタイミングを待たずに、今の時点までの売上や利益をまとめたものです。これも税理士に依頼していれば、月次や四半期ごとに作ってもらえていることが多いので、まずは「直近の試算表、もらえますか」と一言聞いてみてください。もし作っていないなら、これを機に相談してみる価値はあります。

決算書が「去年の通信簿」だとしたら、試算表は「今学期の中間テスト」のようなものです。この2つがそろうと、銀行から見た会社の姿が、過去から今までひと続きでつながります。

3つ目・資金繰りの見通し

そして最後の1つが、資金繰りの見通しです。これから数ヶ月、いつ・いくら入ってきて、いつ・いくら出ていくかをまとめたものです。

これは完璧な表である必要はありません。以前の記事「5分でできる、いちばん簡単な資金繰り表の作り方」でも触れましたが、ノートに手書きでも、エクセルの簡単な表でも構いません。大事なのは、「なぜ今、いくら必要なのか」「借りたお金を、いつ・何で返していく予定なのか」を、社長自身が数字で説明できることです。

ここまで用意できれば、銀行の担当者との会話は「教えてください」から「相談させてください」に変わります。これは、面談の空気を大きく変える一言です。

専門家の力を借りていい部分

この3つ、特に決算書と試算表は、税理士がいちばん詳しい分野です。「銀行に相談したいので、試算表を早めにお願いできますか」「この数字、どう説明すればいいですか」と聞くのは、決して手間をかけさせることではなく、税理士の仕事の範囲内のことです。

資金繰りの見通しも、社長が作ったたたき台を見てもらい、「この見立て、無理はないですか」と一度目を通してもらうだけで、安心感がまったく違います。

なお、融資の条件や審査の詳しい基準は、時期や金融機関によって変わります。最新の情報は、税理士や金融機関の窓口で確認するようにしてください。

まとめ

  • 銀行への相談は「感覚」ではなく「数字」で話すと早く進む
  • 直近の決算書で、売上・利益・借入残高を言えるようにしておく
  • 試算表で「今の状態」を、資金繰りの見通しで「これから」を示す
  • 決算書・試算表づくりは税理士に任せてよい部分。まずは一言相談を

3つがそろっていなくても構いません。今週は、まず試算表がどこにあるか、税理士に確認するところから始めてみてください。