2026年8月11日
見積の原価に、社長の人件費は入っていますか
見積は黒字なのに、なぜか手元にお金が残らない
見積を作るとき、材料費や職人さんへの支払いはきちんと原価に入れているのに、社長自身が現場に入って動いた時間は、原価に入っていない。そんなことはないでしょうか。
「自分の分は利益でいいから」という気持ち、よくわかります。でもこれ、実は見積の数字を狂わせる、けっこう大きな原因なんです。
原価に「自分の人件費」を入れていますか
見積の原価には、ふつう次のようなものが入ります。
- 材料費
- 外注費・協力業者への支払い
- 諸経費(車両費、道具代など)
ここに、社長自身が現場で作業した時間の人件費は入っているでしょうか。多くの一人親方・小さな工務店では、ここが「ゼロ」になっています。理由は単純で、社長は自分に給料を払っているという感覚がないからです。
「儲かった気がするだけ」の正体
社長の手間がタダ扱いになっていると、見積上の利益は本来より大きく見えます。極端に言えば、社長がまる2日かけて仕上げた仕事でも、その2日分の手間はどこにも計上されていません。
その結果、「この工事、思ったより儲かったな」と感じても、それは社長自身がタダ働きした分がそのまま利益に乗っているだけ、ということが起こります。忙しく現場を回っているのに、なぜか手元のお金が増えていかない。その正体の一つが、これです。
日当換算で原価に入れる、小さな習慣
むずかしいことをする必要はありません。次の2ステップだけです。
- 自分の「日当」を決める
- 見積の中で、自分が現場に入る日数分をかけて原価に足す
日当は、同じ作業を人に頼んだら払う金額を目安に、自分なりの数字でかまいません。「これより安くは働かない」という自分の下限ラインを、一度決めてしまうのがポイントです。一度決めたら、見積のたびに考え直さなくてよくなります。
今週やること
今週中に、直近の見積を1件選んで、自分が現場に入った(入る予定の)日数に日当をかけ、原価に足してみてください。それだけで、この工事が本当はいくら残ったのかが見えてきます。今まで見えていなかった数字が見えると、次の見積の値付けも、少し自信を持ってできるようになります。
相場が分からないときは
自分の日当をいくらにすればいいか、他の経費とのバランスはどうかなど、判断に迷う部分も出てくると思います。そういうときは一人で抱え込まず、税理士など数字の専門家に相談してみるのも一つの手です。会計の考え方や制度は変わることがあるので、細かい部分は最新の情報を専門家や窓口で確認してください。
まとめ
- 材料費や外注費だけでなく、社長自身の手間も原価に入れる
- 入れないと、見積の利益は「儲かった気がするだけ」の数字になりやすい
- 自分の日当を一度決めて、見積のたびに日数分をかけて原価に足す
- 迷ったら一人で抱えず、税理士など専門家に相談してよい
まずは1件、直近の見積を開いて、自分の手間を足し算してみることから始めてみてください。