2026年8月30日
その情報、AIにそのまま貼っていませんか
便利になった分、うっかりが増えている
見積書のたたき台づくりや、お客様への返信メールの下書きなど、AIに文章を手伝ってもらう工務店さんが増えてきました。とても良いことだと思います。
ただ、その時に少し立ち止まってほしいことがあります。それは、お客様の名前・住所・電話番号を、そのままAIに貼り付けていないか、ということです。
見積書のPDFをまるごと読み込ませたり、お客様とのやり取りをコピーして「これ、丁寧な文章に直して」とお願いしたり。作業としてはとても自然な流れですが、そこにはお客様の個人情報がそのまま含まれています。
悪いことをしているつもりはまったくないはずです。ただ、小さな会社ほど「うちは大丈夫だろう」で済ませてしまいがちなところでもあります。
なぜ気をつけたほうがいいのか
難しい話をするつもりはありません。理由はシンプルです。
AIに入力した情報が、どこかに残ったり、別の目的で使われたりする可能性がゼロとは言い切れないからです。多くのAIサービスには「入力内容を学習に使わない」設定がありますが、サービスによって扱いはさまざまですし、社長さんご自身がその設定を毎回確認しているとは限りません。
お客様からお預かりした情報は、会社の看板を背負って管理しているものです。ちょっとした作業効率のために、その信頼を危険にさらす必要はありません。
小さな会社でもできる3つの守り方
難しいシステムを入れる必要はありません。今週からできることを3つ挙げます。
1. 名前は「お客様」「A様」に置き換える
文章を直してもらうだけなら、名前は要りません。「田中様邸」ではなく「A様邸」、「田中太郎」ではなく「お客様」で十分です。AIは名前がなくても、丁寧な文章のたたき台をちゃんと作ってくれます。
2. 住所は「町名まで」か「エリア名」にする
番地まで入れる必要がある場面はほとんどありません。「〇〇市〇〇町」くらいまでにして、番地・部屋番号は自分で後から書き足す。これだけで、もし何かの拍子に情報が漏れても、個人を特定されるリスクはぐっと下がります。
3. 電話番号・メールアドレスは伏せ字にする
「080-XXXX-XXXX」のように、下4桁だけ手元に残しておき、AIに渡す部分は伏せ字にしましょう。文章の中に電話番号を入れてもらう必要がある場合も、最後に自分で数字を書き足せば済みます。
この3つは、新入社員に「これはお客様の個人情報だから、扱いには気をつけてね」と教えるのと同じことです。AIも同じように、少しずつ「ここまでは渡していい」「ここからはダメ」を教えていく相手だと考えると、身構えずに済みます。
見積書や写真を読み込ませるときは
見積書のPDFや現場写真をAIに読み込ませて要約してもらう場合も、同じ考え方です。可能であれば、お客様の名前・住所が書かれた部分を隠す、または別の紙に控えてから該当箇所だけ黒塗りにしてから読み込ませる、という一手間を入れてください。
面倒に感じるかもしれませんが、毎回ではなく「個人情報が写っているものだけ」と決めておけば、それほど手間にはなりません。金額の判断やお客様との関係づくりは、これまでどおり社長さんの仕事として残ります。AIに渡すのはあくまで、文章づくりや整理の下書き部分だけ、という線引きを忘れないようにしましょう。
まとめ
- 名前は「お客様」「A様」など、伏せ字や置き換えでAIに渡す
- 住所は町名までにとどめ、番地は自分で書き足す
- 電話番号・メールアドレスは伏せ字にして、最後に自分で補う
- 見積書や写真を読み込ませるときも、個人情報の部分は隠してから
小さな一手間ですが、お客様からの信頼を守る一手間でもあります。今日から、AIに渡す前の「ひと目チェック」を習慣にしてみてください。